Monthly写真詞集
Vol.14 "原色のまま奪われた故郷"


原色のまま奪われた軌跡 m.jpg作品写真原色のまま奪われた故郷 <写真+フレーズ>.jpg写真+フレーズ原色のまま奪われた故郷 <詞全文>.jpg詞全文

※詞全文は、当ページ内の下の方にも、掲載されています。



<作品説明>

原色のまま奪われた故郷 (2018年作品)


この作品は、2018年3月11日に発表された作品です。


この作品の発表時は、東日本大震災からちょうど7年が経過した日でもありました。




この作品の撮影地は、福島県双葉郡浪江町・双葉町・大熊町・富岡町。
東日本大震災に伴う福島第一原発事故による原発被害を大きく受けた、原発被災地の中心ともいえる地域です。


この地域には震災から7年経った今でも、帰宅困難区域も含まれています。

街はそのまま残っているのに、街が置かれた状況を見ると、帰りたく帰れない。


故郷がいつしか 故郷でなくなっていた。


実際にこの場に訪れて、そんな残酷な現実を目の当たりにしました。


また、この作品は現地のリアルな写真だけでなく、現地の方の生の声や今感じている想いも聞きつつ、そこをベースに作った作品となります。







<詞全文>

原色のまま奪われた故郷
詞・Koozy



いつしか時間(とき)の狭間に置き去りにされて
いつしか時間(とき)の経過の中で忘れ去られて
あの日から原色のまま 止まることもなく
違う時間(とき)を今日も明日も刻み続けている



故郷(ふるさと)を奪われて 故郷から離れていき
故郷はあるけれど 故郷の姿ではなく
故郷を失って 故郷に帰れなくなり
故郷がいつしか 故郷でなくなっていた



帰りたくても 帰れない残酷な現実に
一晩中 怒りと虚しさに打ち震えて
誤解と偏見から生まれる虚偽と裏切りに
夜明け前 絶望と暗闇に打ちのめされた



哀しみは 消せることなんてできない
哀しみをずっと忘れず 哀しみと共に
見えない明日の中に 僅かな灯火(ともしび)
また1つ また1つと積み重ねていく






何も変わってない 変わるはずもない
変わりたくても 変われるはずもない
変わらずにあるのは この場所で生まれ育ち
この場所はずっと 僕の故郷であること



僕の身体を引き裂き 心を切り裂いた
僕の大切な過去を全て奪っていった
僕がここまで生きてきた意味も否定され
僕の居場所は どこにもなくなっていた



それでも 今日を生き続けているのは
小さな僕にできるたった1つの意地だ
僕という人間が生き続けていた軌跡を
明日に残すための僕なりの1つの意地だ



哀しみは 無理に消さなくてもいい
哀しみをずっと忘れず 哀しみと共に
今日が続いていく限り 小さな灯火(ともしび)
また1つ また1つと積み重ねていく






いつしか時間(とき)の狭間に置き去りにされて
いつしか時間(とき)の経過の中で忘れ去られて
あの日から原色のまま 止まることもなく
違う時間(とき)を今日も明日も刻み続けている



哀しみは 消せることなんてできない
哀しみをずっと忘れず 哀しみと共に
新たな明日を描くために 小さな灯火(ともしび)
また1つ また1つと積み重ねていく





新たな明日を描くために 小さな灯火(ともしび)
また1つ また1つと積み重ねていく




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