Monthly写真詞集
Vol.5 "黄昏空(たそがれぞら)"


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<詞全文>

たそがれぞら
黄昏空
詞・Koozy


あの時 離れたくなかった大好きな故郷は
いつしか 姿を変えてしまったけれど
別れたくなかった大好きな友も家族も
いつしか いなくなってしまったけれど

毎日 無理に忘れようとしたけれど
時に無理に強くなろうともしたけれど
今日と変わらない明日が続く毎日に
やり場のない怒りと無力さを感じていた

先の見えない未来を不安と共に手探りで
諦めてしまおうかと 時に絶望に襲われ
故郷から遠く離れたこの街の片隅で
数え切れないくらい涙も流してきた

目の前に広がっている黄昏空を見上げて
今はまだ 素直な笑顔になれないけれど
それでもこの街で今日を生きているから
そして明日も変わらずに生きていくから



先の見えない毎日を 葛藤と迷いの中で
ただ必死に前だけを見て今を生き抜いた
そして僅かに差し込んできた希望の光に
輝かされて いつしか笑顔も戻ってきた

心の奥に深く刻まれた思い出も記憶も
消えて失うことなんて絶対にないから
だから過去を忘れる必要なんてないから
これから未来を積み上げていけばいいから

目の前に広がっている黄昏空を見上げて
いつしか素直に微笑んでいる私がいた
今この街で確かに希望を手繰(たぐ)り寄せたから
そして明日も前だけを見て生きていくから



久しぶりに見かけた住み慣れた故郷は
かつての姿とはすっかり変わったけれど
目を閉じれば変わらず 笑い声が聞こえる
心の中では変わらず 生き続けている

いつまでも色褪せることのない心の故郷は
この黄昏空の下(もと) 強くつながっているから
心の中の灯火(ともしび)は永遠に燃え続けていくから
遠く離れていても また帰ってくるから

目の前に広がっている黄昏空を見上げて
いつしか 心からの笑顔でいる私がいた
今を照らしているのは希望の光だから
明日も前だけを見て笑って生きているから


Copyright © 2012 Koozy All Rights Reserved.


<作品説明>

たそがれそら
黄昏空
(2012年 作品)

この作品は、2012年3月11日に発表された作品です。
この日は、日本人が忘れもしない東日本大震災から、ちょうど1年となります。

この作品では、住み慣れた故郷から離れて、新たな街で生活を送っている人々が、いかに希望を見つけ、
前を向いて歩いていくか、そして笑顔になっていくかについて描かれています。

仮に今つらく苦しい状況であっても、ほんの少しでも前に歩き続けていけば、やがて希望の光は差し
込んでくる。そして、本当に大切な故郷やモノは、絶対に失われることはないし、必ず笑顔になれる日は
やってくることが描かれています。

今、とにかく前に向かって、懸命に生きている人全てに対する、作者のメッセージが込められた作品
なりますので、少しでも思いを感じていただければ幸いです。


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